里山鐵道とおばあちゃん

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  上総牛久駅(かずさうしくえき)

  

お目当のトロッコ弁当が売り切れて

里山トロッコに乗る前に

お腹が空いたので駅を降りる

祭日だというに

シャッターが下りているお店が並ぶ

「そうなんです。すっかり寂れてしまいました。

昔は活気がある街でした」

商店街を嘆くおばあちゃん

古びた店構えのお蕎麦屋さんが

ポツリ!駅前でやっていた!

異次元の世界に迷い込んだのだろうか

  
 
  
   

カレー丼を注文する

「出発は何時ですか?」

「2時です」

出てきたカレー丼が懐かしい味!

「SBカレー使ってます」

昭和の味がたまらない

「おばあちゃん!ここは、何年やってるんですか?」

「60年ぐらいかしら」

私がお店を32年やってることを言うと

気さくになんでも喋ってくれる

二十四のときお嫁に来て

それからズーッと

腰が曲がったり足が弱っても

テキパキ接客している姿に

励まされる

   
 

カレー丼を食べながら

開店当初からある

装飾ガラスや曇りガラスに

若かりし頃のおばあちゃんの姿が浮かんでくる  

   

おばあちゃんのつけた漬物に心が震える

うまい!

 
三代続いていると言う時の流れを映してきた曇りガラスに

思い出が浮かぶ
腰が曲がっても

息子と共に暖簾を守るおばちゃんに

「私はまだヒヨコ!頑張らなくちゃ!」

「お元気で!」

しっかり握った手の温もりが忘れられない。

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