目にあまる遅刻を
見過ごすわけにはいかない
開店前から来てくれるお客さん
まだ君は来ない
これで何回目?
痺れる身体でも体が反応する
「少しお時間がかかりますが、待っていただけますか?」
早速コーヒーをサービスして
キャラメルアーモンド生クリームを作る
君は両親を亡くして
辛い思いで青春を送って来る
その気持ちをずっと理解し
一緒に飯を食べてきた
「おいし〜」
「幸せ〜」と言ってくれるお客様の声も聞いている
その喜びが待ってくれていることをイメージしてほしい
諦めかけたこの体に鞭打って
焼き続ける私を見てくれていたはず
息子と同じ年齢なのに
自覚が足りない
戦隊の仕事は早朝三時に起きて
東映のスタジオに集合
ロケバスに乗って
流星君、斎藤君、丸山君が待っている
ロケバスに15分遅れた息子は
大森プロデューサーの前で
マネージャー、オスカーの部長と共に
「いいかい!君の役は留学したことにして
消すことができるんだよ」
自分のために呼び出されたマネージャー、部長に
泣いて自分の非を詫びる息子
3年前の事だけど、ちゃんとマネージャーから耳に入ってる
それを聞いて泣くほど嬉しかった!
「領氏!お前は連絡も入れず、簡単にすいませんとはなんだ!」
目の前に待ってくれたお客様がいるのに」
「もう明日から来なくていいよ!」
心を鬼にして大森プロデューサーのように
言うしかない
親はこの世にいないからこそ
代わりに言ってあげる愛は残っているよ!
君が優しいのはわかる
でも自分に優しくしてどうする
ここまで息子が食らいついて来れたのも
大森プロデューサーの愛があればこそ
そこからオスカーも息子もどんどん変わっていった。
今では一番若くても7人の若手の先頭に立っているではないか!
領氏!オスカーの事務所に行ってごらん!
男優陣の5番目に写真が貼ってあるのを
あの涙が今を支えている
どんなに辛くとも、どんなに苦しくとも
食らい付け!離すな!
それが男だ!
今日の涙が未来を作る
君は涙ひとつこぼさなかった
明日反省文を書いてくるように言った!
素直な君が見たい!
何て 深くて暖かなクラリネットの音色だろう!
イントロのクラリネットの後にギターが寄り添う
この組み合わせ!このイントロ聞いたことない!
スピーカーから流れる
今日の1日が虹色に染まる
優しいクラリネットの音色があなたにそっと寄り添う
何回も何回でも聞けるよ
「Everythings I Love」
息子も領氏も同じ20歳
愛しているよ!領氏!
愛されたい人はこの音色に包まれて見て欲しい
きっと希望が見えてくる