健常者で居られること

73歳でも高尾から八王子まで

時々休みながらでも

正常に歩けること

暖さん

私にとってどんなに羨ましいか

障害者になってみなければわからない

前を歩く人を見ながら

近付けようと懸命に動かそうとしても動かない

動かそうとすればするほど硬直が走る

それも足だけでない

左半身全部が

苦しい 辛い

顔面が歪むほど苦しい

ショーウィンドウに映った醜い己の姿

泣けるほど辛い

肉体的にも精神的にも

見かけは普通に見えるので

始末に悪い

醜い姿でも

私のそばを離れずに

ずっと付き添ってくれた息子の優しさは

今でも変わらない

横で醜い姿で歩く私の存在がきっと

職業柄世間体が悪くなるに違いないと思う
まして憧れの的になる俳優という職業柄

私も針の筵にさらされるような気持ちを

持ったことが何度かある

そんな私の気持ちを受け止めて

いつも同じスタンスでいる息子はすごいと思う

山あり谷ありの世界に入って

いろんな悩みを抱えても

スタンスは変わらない
決して自己防衛に走ることはない

そんな息子の頑張りを見て

私の頑張りの支えとしてここまでくる

10/31にロードショーされる

「エール」というフランス映画を

宮平監督から勧められる

そこには同じ悩みを抱える聾啞の家族と

ただ一人健常な娘との生活と夢を描いた作品である

まだ予告編を見ただけであるが

こんなにも私たちの悩みと共通する家族が描かれていて

予告編なのに最後まで見られなかった

是非この予告編だけでも見て欲しい

娘の頑張りが

この家族の頑張りに違いない

そう思えば明日への希望に向かえる

死にたいと思うなんて

とんでもない自分に気が付かされる

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