夫婦でも

愛の伝え方は難しい!

アルバム「哀愁のヨーロッパ」の中にある 

  
 
「愛を伝えて」の曲を聞きながら

愛し合うご夫婦から相談を受けたことを思い出す

奥さんは同じ病院でリハビリに励んだ仲間

スイミングクラブで遊泳中に脳出血を起こし

水中に漂っているところから生還した

50代の女性

私の後を追いかけて車椅子から

杖をついて歩けるようになる

わたしも先に退院しそうな先輩を見つけ退院したように

彼女も半年のリハビリ中、私から学んでいました

退院後、羨ましくなるほど献身的な旦那さんのサポートで毎日を過ごし、幸せそうでした

ある日突然ご夫婦でお店にやってきて

私にご主人に言って欲しいことがあると

真剣な眼差しで訴える

「主人は何から何までやってくれるのは嬉しいのだけれど

せめて食事の準備だけやらせて欲しい」

それを主人に伝えたくて私に言って欲しいと懇願してきたのだ!

私がひとりで生活して掃除、洗濯から食事まで

なんとかやっているうちに

生きがいと片麻痺を乗り越えて来たことを伝えて欲しいのだろう

愛し合う夫婦でも、頑張れという配偶者の励ましが疎ましくなるくらいだから

その奥さんは乳がんにかかり、頑張っているのに

例えば胃ガンの旦那さんの体力をつけてあげるために

無理やり食べさせ続けて破局した夫婦を知っている

愛の伝え方は難しい

家族は親身的に世話をしているつもりでも、

患者にとっては余計なお節介でしかない場合に気がつかない

北斗夫妻を見て、先行きが心配になってくる

私は旦那さんに

「自分らしく生きる事をさせることが、夫婦愛なんだと思いますよ!」

はっと気がついたように旦那さんの目が輝く

嬉しそうに帰って行った奥さん

その後病院であった奥さんは

前より綺麗に輝いていました。

そして何よりすごいのは

私を追い越して、杖なしに装具もなしに歩いているのでした。

自分らしく生きて、自分の色で紅葉し、散ってゆく

難しいけれど、人間はそうでありたいと思う

ヨーロピアンジャズトリオの「オータムリーブス」を聞きながら

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