自分のお店なんて
たかがクレープ
テキ屋のクレープに毛が生えたくらいだと
思われているに違いない
そんな自暴自棄の自分が情けない!
開店前から 可愛い小さなお孫さんを連れて
67歳のおばちゃんがやって来る
娘さんが小さい頃から食べている私のクレープを
お孫さんを喜ばせるために連れてくる
三世代の輪に涙する
花火大会が始まる前から
次から次へやって来るお客様
なんて自分は卑屈なんだろう
午後9時を過ぎても切れ目なし
そんなお客様を遠くから見る自分
胸が熱くなる
脳出血から8年
開き直ってやってきた自分が
32年の重さを知らされる
涙が止まらない
ありがとう!
ありがとう!
ありがとう!
落ち込んでいた魂に一筋の光が差し込む
熱中症一歩手前まで追い込まれながら
8月はまるまる休もう
そんな弱気が沸き起こる毎日
そんな時に高校時代手伝ってくれていた青年が
妹と共にやって来る
最後の最後まで
材料が無くなるまで焼き続けてくれる
そして全盛期の売り上げに一歩近づく結果を出してくれる
こんな希望は、何よりの栄養剤
くじけそうな心を思いっきり持ち上げてくれる
明日へ続く希望の虹が見えてくる
目の前に虹の橋が
まだ渡るのは早い
まだまだ頑張りなさいと
天国の父が言ってくれている
32年の重さをもっと感じなさいと

