高倉健というプライド

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「映画は生きる悲しみを

勇気に変えることができる」
最も印象に残った健さんの言葉
生前の健さんは
人を見分ける力が人一倍あった人
この人は悲しみを背負いながらも
生き抜いてきた人であるかどうかを直感で見分ける
たった一度の結婚だけで
家庭も持たずに
孤独に耐えてきた人にしかわからない
本能的と言える直感
たとえ表面的にわからなくとも
かぎ分ける本能
無償の愛を感じる力
83年生きてきたものだもの
自分をさらけ出しても
受け入れてくれる人
男女に関わらず
そんな人には
とことん誠意を尽くす
私は文藝春秋に掲載されていた
「高倉健というプライド」を読み
養女の存在を知る
俳優高倉健ではなく
人間高倉健を支えてきた女性の存在を知る
私はまだ69歳だが
健さんは17年間隠し続ける
ということは66歳から
生の人間高倉健を知る唯一の女性
その存在を知り
ほっとしたのである
肉感的な唇
母性を感じさせる豊満な身体
健さんが心底甘えることのできる女性
健さんにとって
マリア様以上の存在であったろう
臨終に立ち会いながらも
健さんのプライドのために
悲しみに耐え
健さんの言う通りに
発表したに違いない
無用の争いを避ける意味においても
的確な時期を選んで
これまでの17年間
彼女は健さんの全てを受け入れたに違いない
養女として
妻として
妹として
恋人として
俳優として
母として
(そこには子としては相続以外何もないだろう)
(健さんのテレ隠しにも取れる。妻としてが大きいような気がする)
健さんが旅立つまで
全てを受け入れ
演じきって見せた
凄すぎる
健さんにとって
彼女こそ映画そのものだったに違いない
「生きる悲しみを勇気に変えることができる」
そのものではないか!
健さん!
幸せでよかったね!
お金に変えられないものを掴んだんだ!
だからこそ人に優しくなれたんだね!
恩返しでなく
恩送りをしていたんだと思う
40億の遺産なんてどうでもいい
傍らに映画が付き添っていたんだもの!
この歳になって
健さんの気持ちがわかるような気がする
合掌

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