小学校のクラス会

担任の先生が御健在
御歳82才
爺婆の集まりでも
気持ちはあの時代に
幹事の誘いに
イマイチ乗れない
思い出す当時のイジメ
いつの時代も
ちょっと違う佇まいや行動に
集まる嫌がらせ
学級委員長だった私は
イジメられているのを
見て見ぬ振りできずに
彼の味方をする
彼のご両親は私を「相撲」に招待してくれる
当たり前のことをしただけなのに
彼は大学出てから
内科医になって、地元で開業
私が脳出血で障害者になったのを
知っていた
1通の手紙が届く
「自分の居場所を見つけなさい」と
彼も同じ病気で
左半身麻痺と闘い
病院を再開したことが書かれていた
そこには大学病院から
街の開業医になって
本当に弱者の立場に立った
医療に大切なことを学んだことが
ペン字の行間に滲んでいた
ためになる話とともに
「自分の居場所を見つけなさい」
半年のリハビリから戻ると
彼は私を都内の某ホテルに招待してくれる
懐石料理の席まで用意して
それだけでない
介助として親友を手配してくれる
やっと車椅子から降りたばかりの私に
障害を思いやる気持に胸を熱くして
親友と共に出かける
身体をいたわる料理と
彼の優しさに触れ
自分の居場所を探す旅が始まる
お店に戻り、そこで不自由でも自分の手で
生活を確立しよう
決心が固まる
30年積み重ねてきたお客様に
感謝しながら旅立とう
そう決心してから
約7年の歳月が
ある日とつぜん
彼の弟から訃報が届く
彼はもういない
そんな時の流れを知っているのだろうか?
クラスのみんなは?
先生は何をしてくれた?
加担した君達は?
大切なものを教えてくれたことを
そこから這い上がれたことを
彼の「自分の居場所を見つけなさい」
そう言ってくれた人はもういない
その時連れ添った親友が
今回の幹事
私の気持ちを一番わかってくれるはず
あの世で会った時でも話すよ!
今はそっとしておいてくれ

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