産みの苦しみー陣痛ー
「佐知とマユ」
久々に見ごたえある作品に出会う
創作テレビドラマ大賞受賞から
作品になるまで
製作陣の皆さんの陣痛が
目に見えるような作品に仕上がっていました。
視聴者も一緒になって産みの苦しみを
実感させられるような出来の作品に
三回も見直す
大賞受賞時の脚本は、
ある脚本専門誌で読むことができたのですが
第一印象は
正直出口が見えない暗さを感じる
こうやって作品に手が加えられ
製作陣とお二人の熱演により
一筋の光が見え
素晴らしい魅力の作品に仕上る
セリフとセリフの隙間に希望が
見えるそこに描かれる出産シーンから
浮び上がる三人の女性
佐知とマユそして佐知のお母さん
それぞれの女性の性が浮き彫りに
マユは佐知の手を握りながら
打ち寄せる陣痛と闘う
佐知に思わず叫ぶ
「お母さん!!!」
佐知の本当のお母さんは
マユの子を取り上げる
「この赤ちゃん!自分で出てきてる」
佐知もマユもお母さんの「陣痛」を通して
この世に生を
自分で歩き始める佐知とマユを暗示する
光が見えない世界から
僅かな光を
拾い集める
マユの妊娠が誰かわからない元の脚本から
伊田亮介という男友達の存在を特定させる

佐知がマユを追い出すきっかけになるシーンでも


妊娠を暗示しながら(佐知には、まだ妊娠がわからない)
伊田は、出て行くまで
「病院へ行った方がいいよ!」と
最後までマユを心配するシーン
そして再び会って

マユが伊田と一緒に暮らそうとするシーン
「一人で寂しかったら
産めばいいだろう」
「じゃ!お大事に!」と言いながら
去っていく伊田
(男は、決して見放したわけではない)

その後マユは携帯を見つめる

二人で撮った思い出の写真をいとおしそうに見る

躊躇しながらも

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なんとも胸にしみる

素晴らしいシーンが加わる

いずれも元の脚本には一切ないシーン
足立さんの苦悩が滲み出る
伊田の言葉の中にも
一筋の光を暗示させている
決して佐知もマユも孤独ではない
元の脚本では重い内容も
希望というオブラートに包んで
飲みやすくしてくれる
受賞時の脚本に磨きがかかる!
抑制の効いた中に、リアリティある演技、
演出が光る
ある意味親子の関係の部分では「純平考え直せ」に通じているように感じる
門脇麦は「百円の恋」の安藤サクラのように、いつか主演女優賞を取れるような存在感を感じた。
「百円の恋」も足立さんの作品
これからです。
見終わった後
餃子を腹一杯食べたくなる

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