行きは恐々帰りは良い良い

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髪の毛を整え

お土産を持っていざ鎌倉へ

男が1番緊張するところ

彼女の父親はなんて言うのだろう?

追い返されないか?

戦々恐々

玄関に入ると

なんとご両親と一緒に出迎えてくれるなんて

なんと言ったんだろう

ほとんど緊張で覚えていない帰り道

「お嫁さんにください」

「何日に婚姻届を出します」

人生一世一代の覚悟で

「君!大丈夫なの?」

そんな事絶対言わないでしょう

「全ては聞いております、どうか体に気をつけて

幸せな家庭を築きなさい」

仕事先、これからの人生設計をかなり詳しく

ご両親を安心させなければ

小一時間話した後

額は汗でびっしょり

「眞子!何か飲み物を」

「圭さん!アイスティーはどうですか?」

その一言で僕の心は重石が取れたような気がした

ご両親の顔も穏やかで

大切な娘さんを海外に送り出す不安を感じさせないような優しさに溢れている

3年間の留学は無駄じゃなかった

「それともホットコーヒーにします?」

僕の好きなコーヒーを忘れないでいてくれた

「コーヒーお願いします」

広々とした庭が一望できる応接室に午後の光が差し込んで眩しい

新婚生活は庭のないセキュリティがしっかりしたマンションでの生活になるかもしれない

それでも自由と言える庭を手にすることができる

ささやかでもこの庭のように日差しが差し込む温かな家庭を築きたい

そんな話でいつの間にか3時間が過ぎる

別れの時は瞬く間にやってくる

僕が眞子さんを男として守っていく覚悟を告げて

玄関に向かう

それは自由の扉

「圭さん待って!これは父母から」

母からは花束を

父からは記念品を

「お仕事に使ってください、万年筆です」

ここまでの道のりが一気に蘇り

涙が溢れそうに

ここではだめだ2人だけの時にしよう

我に還り

勇気を持って決断した過去を振り返らず

胸を張って玄関を後にする

午後の日差しの中を

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