
母の優しさが
秋の日差しを浴びて
思わず合掌
痛みに痺れた冬の厳しさを乗り越え
電話越しに聞く
母の優しさ
ありがとう 天国の母さん!
今も耳に残る
「しっかりしなさい」
地上げ屋との法廷闘争(自ら弁護人となって訴訟書類を作り
法廷闘争を自分の手で)
麻痺した左半身(高次運動機能障害の宣告)
お店に戻れるだろうか
受験期に差し掛かる息子
一気に不安が津波のように襲いかかる
毎晩母に電話する
コインがどんどん落ちる
ツーツーとなる電話口
しっかりしなさい
いつまでも
いつまでも
心に残る母の声
台風は熱低に
方向を変えて静かに消えていった
私の中の不安という渦巻き




ありがとう ありがとう