イチョウ祭りで賑わう
並木通りを車椅子で散策しながら
1組の親子が心に焼き付く
風船の紐の調整をしているのだろうか?
まるで自分達がそうであった時代が
そこに蘇る
そんな景色が続く
帰りは淺川沿いを通ってゴーイングホーム
自転車に乗った親子がシルエットになって
心に刻まれる
私は車椅子の上から
思い出は振り返らずとも
目の前に再現されている
目の前に
若者は夕陽に向かって
走ってゆく
目の前に
思い出は振り返らずとも
右側には学びの校舎が
私は苔むす古木の桜
まだまだお願い
花を咲かせて
もう一度
君と桜のアーチをくぐりたい
淺川に向かって
祈りを捧げる
置かれた場所で咲きなさい
そう言って
送り出した世界で
精一杯咲いている
君が愛しい
しあわせの花は
青空に溶け込んでゆく
思い出にさよならを言いながら
青空を見上げる
故郷の母さん元気ですか?
母さんの作った
春雨が食べたい
イイよと風に首を振る秋桜のように
母さんの優しさが身に染みる
そこまでもう直ぐ行くよ